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【入門講座】東大合格ランキングから『今の受験』を考える?!

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筑波大附属駒場高校

 

今回お話するのは、東京大学の合格ランキングから読み取れる受験の現状について。

はじめに、注意です。東大合格者数ランキングはあくまで一つの指標でしかありません。要するに、一面的なデータです。ランクが上位だと子供にとって良い学校で、下位だと悪いなど、当たり前ですがまずありません。そんなことに振り回されていてばかりいると、のちにやってよかったといえる中学・高校受験など到底できませんよね。

しかし、データから得られる受験の真実があることも確か受験で結果を出している学校の共通点や特徴を知り、学校選びに活かしていくこと。

 

それがわかっている方のみ、ここから先の記事をお読みください。

 

それでは、現在の受験事情を一緒に考えてみましょう!

早速、2014年のデータからご紹介。

 

2014年の東京大学の合格者ランキング

 

 順位  全体  (現役数)  学校名      学校種別・所在地 募集時期 

 第1位 158名(104名) 開成高校     (男子・東京都) (中・高)

 第2位 104名(82名)  筑波大付属駒場高 (男子・東京都) (中・高)

 第3位 103名(76名)  灘高校      (男子・兵庫県) (中・高)

 第4位  81名(50名)  麻布高校     (男子・東京都) (中のみ)

 第5位  75名(59名)  駒場東邦高校   (男子・東京都) (中のみ)

 第6位  71名(57名)  聖光学院高校   (男子・神奈川県)(中のみ)

 第7位  68名(55名)  桜蔭高校     (女子・東京都) (中のみ)

 第8位  67名(47名)  栄光学園高校   (男子・神奈川県)(中のみ)

 第9位  56名(32名)  東京学芸大附属高 (共学・東京都) (中・高)

第10位  48名(30名)  渋谷教育学園幕張 (共学・千葉県) (中・高)

第11位  41名(22名)  ラサール高校   (男子・鹿児島県)(中・高)

第12位  40名(23名)  海城高校     (男子・東京都) (中のみ)

第13位  38名(23名)  久留米大附設高校 (共学・福岡県) (中・高)

第14位  34名(25名)  浅野高校     (男子・神奈川県)(中のみ)

第15位  33名(28名)  豊島岡女子学園高 (女子・東京都) (中・高)

第16位  31名(11名)  都立西高校    (共学・東京都) (高のみ)

第17位  29名(23名)  筑波大附属高校  (共学・東京都) (中・高)

第18位  26名(21名)  早稲田高校    (男子・東京都) (中のみ)

第18位  26名(14名)  巣鴨高校     (男子・東京都) (中・高)

第20位  25名(12名)  渋谷教育学園渋谷 (共学・東京都) (中のみ)

 

以上のデータには、確認してほしいポイントが5点あります。

 

1.ほとんど、中高一貫校で構成されている。

募集が高校受験のみでランクインしているのは、第16位の都立西高校のみ。他は、すべて併設の中学があります。これらの中高一貫校は基本的に、カリキュラムを前倒ししているため、高1or2までに高校学習範囲を終わらせ、残り1、2年を志望校対策に集中できる環境になっています。

生徒たち自身も小学生の頃から中学受験を目標に、大量に勉強して中学に入っています。その後も前倒ししたカリキュラム授業を週6日ペースでどんどんやっていきます。結果、勉強の土台ができている生徒ばかりなので、必然的に学力は高まり余裕をもって難関大に合格していくのが実情です。(土壇場でやる生徒もいますが。笑)

もちろん、公立中学に比べて授業時間数は多く、大変な面もありますが文武両道で部活や課外活動にも力をいれている学校がほとんど。これが、近年の中高一貫人気の理由です。

 

2.高校受験では、5科目入試が多い?!

中学受験は、基本4科(関西だと算・国・理の3科)。ただ、高校受験ではある特徴があります。それは、各高校で5科入試が多いこと。私立高校は、基本的に3科入試が多くを占めますが、そんな中、東大合格上位の学校は、総じて5科入試がほとんどです。TOP3の開成・灘・筑駒はすべて5科入試※灘は4科入試。東大などの国立大入試は、多くの科目が必要とされるので、高校入試で5科目しっかりと勉強している生徒のほうが国立大学入試に強いのです。

入試問題も特徴的です。内部進学組と合流しても進度が合うよう、入試に高校履修範囲から出題しています。つまり、公立中学にいながら、先取り学習をしていかないと、これらの高校に進学する事が難しいシステムになっているのです。

特に、開成高の入試問題は東大入試問題と傾向が近いため、東大入試に強い子が開成高校に進学しているという背景もあります。※国立の高校は、履修範囲を必ず守りますが、その分ひねった問題が多いことが特徴的。

 

3.合格率は?!

現役合格率でいうと、 ずば抜けているのが、筑波大附属駒場高校

筑駒⇒約50.6%(現役合格者数82名╱卒業生数162名)

 灘⇒約34.5%(現役合格者数76名╱卒業生数220名)

開成⇒約26.1%(現役合格者数104名╱卒業生数398名)

比較されることが多い三校ですが、現役合格率は、圧倒的に筑波大附属駒場です。浪人生も入れると、東大進学率は更に高まります。

約二人に一人が東大に進学。それは筑駒の立地も少なからず影響しています。校舎が東大の駒場キャンパスと駅を挟んで反対側にあるため、心理的に東大受験へのハードルが下がります。最寄り駅が東大生と同じですからね。そりゃ先輩も多く通っていて、いやでも親近感も湧いてきます。灘や開成も多くの先輩が東大に通っているので、普段から東大の情報が入り、東大との距離が極めて近くなっています。

 

4.公立高校は健闘している?!

近年、公立高校も健闘しています。国立医学部(東大と同レベル)に地方の公立名門高校(熊本高校など)から多数合格しています。東京でも都立高校が、復活の兆しがあります。最近では、進度の早い内部進学組がいる私立中高一貫に高校から入学するくらいなら、都立高校で全員一緒のスタートがいいと、都立を選ぶ生徒も増えてきました。例えば、開成高を蹴って日比谷高を選ぶケースなんかも。

しかし、公立高校の3年間で、勉強と部活と両立して難関大学に合格するのは非常に難しいのが実情です。入試の最重要単元が高3の後期に習ったりするため、当然その1~2年前に全単元の履修が終わっている私立中高一貫組に敵うわけがありません。結果、公立高では、浪人して大学に行くのが当たり前という風潮になっている公立も多いとききます。

そして現役で合格している生徒も、1,2年から予備校でしっかり先取り学習している生徒がほとんど。また、1年浪人するにも、生活費や機会損失など含めると、私立に行ったのと変わらないほどの費用が掛かかります。現在小学生ならば、中学・高校選びやプランがいかに大切か、お分かりになるでしょう。ちなみに、公立中高一貫は、上記のような私立同様の前倒しカリキュラム+学費が非常に安いという点で人気が出てきています。要チェック!

 

5.帰国入試があるのは?!

これらの学校の中で、帰国入試枠があるのは以下の学校。

【中学受験】

早稲田、聖光学院、渋谷教育学園渋谷、渋谷教育学園幕張、巣鴨、海城、豊島岡 等。

【高校受験】

筑波大駒場、筑波大附属、学芸大附属、渋谷教育学園幕張、巣鴨、豊島岡 等。

 ※東京学芸大附属国際中等教育は、東京学芸大附属とは別学校。

 

まとめです。現在東大に現役で多く合格している学校は、中高一貫が基本です。中高一貫校は6年間を効率的に活用する事で、勉強と部活の文武両道を実現できる環境を作っています。公立校に学ぶ際は、その事実を知ったうえで、きちんと工夫と努力をしないと、中高一貫組に圧倒されてしまいます。もちろん、環境は非常に大切です。子供の性格に合った、最適な教育環境を考えていきましょう。

 

怖いことは何も知らないこと。無知です。

別の観点からみると、小学生から基本5科目(英数国理社)をしっかりと勉強しておくことは、大人になったときの知識の土台になり、教養や学問に興味を持つきっかけになります。大学合格は、あくまで通過点です。小さいときからそのことを意識して、基本的な学習をコツコツしていきましょう。

加えて、帰国生には国内生にない海外経験というチャンスがあります。帰国生の強みである国際感覚や語学力を今のうちに磨き上げておくこと。それが、必ず入試を通過点と見据えた先の武器になりますよ。

 

それでは、次回も一緒に帰国入試知識を勉強しましょ!

 

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